お修理の前に
(自分で出来るメンテナンス)

一部の革には水に強いものもありますが、ほぼすべての革は、水濡れは大敵です。雨に降られてしまった時などは、そのままではカビの温床になります。 そうならないために、乾いたタオルで全体から水気を拭き取り、中身をすべて出して、風通しのいいところで陰干ししてください。
※ドライヤーで急に乾燥させようとすると、革繊維の中の油分のバランスが狂ってしまい、変色が進む原因になります。
※イタリアンナッパなどのタンニンなめし系の革の場合、水濡れして色が変わってしまうこともありますが、完全に乾けば、また色が落ち着いていきます。
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防水スプレー
お買い求めいただいた際に、防水スプレーをかけるようにされている方もいらっしゃいますが、その成分によって、色が濃くなってしまう場合もございます。特に、ヌメ革や、イタリアンナッパのようなタンニンなめし系の革の場合は、顕著に反応して、色が戻らない可能性があります。
革との相性もございますので、まずは底面などの目立たないところで試してみて、問題がなさそうならお使いください。 -
油分の補給
革は有機物で、内部に油脂分をたくさん含んでおり、これが滑らかな触感を生み出しています。ただ、それらは少しずつ揮発していきます。そのため、何もお手入れをしていないと、油分がなくなって、繊維が脆くなり、ぱさぱさになって風化し、そこから破れて壊れていきます。
お買い上げ当初は、お使いいただく人の手の脂で、触って撫でていただくだけで、充分なお手入れになります。しかし、お使いになって3年くらい経ったら、意識的に油分を補充してあげると、長くお使いいただけます。
市販の靴クリーム、栄養クリームなどのレザー用品をお試し下さい。 -
ブラッシング、レザーソープ
年月が経ち、人の手の脂やホコリなどが少しずつ積み重なって、色が重くくすんでくることがございます。その場合は、シボの間に入り込んだ細かな埃をブラッシングしてあげるのも効果的です。その際、市販のレザーソープ(シャンプー)などで洗ってあげるのもいいかもしれません。
※ボールペンのインク汚れなど
ボールペンのインクやジーンズ生地の藍の染料などは、とても強く吟面に浸透してしまうため、附着すると完全に取り去ることは難しいです。レザー用品ではなく、有機バクテリアを利用したシューズ用の洗剤などのなかには、落とせる可能性があるものもあるといいますが、それぞれの革との相性もあり、また革素材自体を痛める可能性もあるので、推奨はしておりません。